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理想の珈琲の定義 (2)
僕にとっての「理想の珈琲」に通じる四つの定義。
その第2の条件は、

<2>ティピカ種の豆であること

です。

ご存知の通り、珈琲の三大品種はアラビカ種、ロブスタ種(カネフォラ種)、リベリカ種です。
Wikipediaによれば、現在、世界で栽培されている珈琲の75~80%がアラビカ種で、残りの約20%がロブスタ種、1%未満がリベリカ種だそうです。
さらに品種を細かく見ていくと、最終的な栽培品種は200種類以上存在しているそうです。

一般に珈琲の起源と言えばエチオピアで発見されたアラビカ種のこと。
ちなみに「ティピィカ」(C.arabica'Typica')は、そのアラビカ種の原種に最も近いと言われている品種の代表です。

珈琲に興味を持ち始めた当初は「生産国名」「生産地名」「グレード」などで豆の味を覚え、評価し、好みを判断していました。
ですが、珈琲経験を積んで行くと、一年もしないうちに自分がすごく美味しいと思う珈琲豆は「生産国」「生産地」「グレード」などの狭い枠を超えて、そのほぼすべてが「ティピカ種」の豆である事に気付きました。

もちろん今や熱帯各国に広まって栽培されているティピカですので、生産国の風土や海抜、生産者の農法や精製法によって香味は当然に大きく違います。
ですが、ティピカの素性の良さ、その味わいの深さと豊かさは明らかに「別格」です。
お米の品種で例えて言えばお米の王様「コシヒカリ」、ワイン醸造用のブドウ品種で言えば「ピノ・ノワール」のようなものでしょう。

個人的には「日本一の究極の珈琲」は間違いなくこのティピカ種の中にあると確信しています。
ですから、例え高価なオークションロットやCOE入賞豆などであっても、ティピカ以外の豆にはあまり食指が動かず、期待が湧きません。
実際、他品種はどんなに鳴り物入りの高価な豆でも、飲んでみると確かに凄い豆だし桁違いに美味しいとは思えても、なぜか「珈琲の王道を行く味ではないな」と思ってしまう事がほとんどです。
僕にとっては「美味しいけど、何かが違う」のです。
飲んでいる時はもの凄い珈琲だとは思っても、でも数時間もすると必ずある種の違和感や失望感が頭を持ち上げてきます。

ですが、美味しいティピカ種の場合は、これぞまさに「珈琲の王道を行く味」そのものと感じます。
優良な栽培をすればするほど、上手な焙煎をすればするほど、その美味しさはまさに「天井知らず」です。
美味しさがまっすぐ上に無限に伸びて行く印象です。
真に優れたティピカの場合だけは、全身全霊で決定的に満足させられてしまい、何かの疑問や疑念が湧くようなことが一切ありません。
このような完璧な至福に包まれる感覚は、他の品種では一度も経験がないのです。

そして、他の品種豆はどんなに美味しい豆でも、結局、「単に鼻と舌で味わい終わる」「数日経つと記憶が薄れる」レベルの味なのですが、絶品ティピカは単なる一過性の味覚体験程度では終わらず、飲む者の「魂を激しく揺さぶる味」であり、「心の琴線を鷲づかみして来る香り」であり、「時を経るほど美味の記憶が大きくなる」レベルの美味なのです。
それは単なる「おいしい」と言う味覚や感覚ではなく、むしろ、何かの媚薬や麻薬に近い「危ない成分」が含まれているのではないかとさえ思えてしまうほどです。

特にその悩殺的な香りの素晴らしさは、まさに「似たものがない」「比類がない」強烈な陶酔パワーを秘めたものです。
ですから、珈琲を飲んで、「ワインの香り」とか「チョコレート風味」とか「柑橘の匂い」とか「花のフレーバー」とか、その風味を他の何かに例えて得意になっている珈琲初級者がよくいますが、その香味を他の何かに例える事ができるようなレベルの珈琲は、実はまだまだ「中の下」以下の珈琲だと思います。

真に美味しいティピカと出会えば、その香味は過去に類例がない非常に高いレベルゆえ、安易な文字や言葉でその香味を賞賛したり、何か他の日常的な飲食物に喩えて表現したりする事は到底不可能であり、めくるめく逡巡した末に、結局、その香味のすべてを表現できる相応しい言葉など見つかるはずもなく、ただただ「言葉を失う」「絶句する」だけの状態になるはずだからです。
と言うよりも、そのあまりの美味しさの衝撃に、そもそもほとんど思考停止となり、「気絶」や「失神」に近い精神と肉体の状態になるはずです。

ティピカ種は言うなれば「選ばれし豆」であり、その香味は「珈琲の魅力そのもの」であり、持って生まれた「ポテンシャル」の容量もあまりにも桁外れで、他の品種とは全てが大きくかけ離れて違う印象を受けます。

ちなみに、この道何十年と言う老舗の珈琲店主の中には「昔の珈琲豆はもっとずっと美味しかった」とか「以前の豆は各国別にもっと味の個性が際立っていた」と嘆く方が少なくないそうです。
「美味しかった昔の珈琲豆」とは、僕の想像ですが、おそらくは今は激減してしまった「ティピカ」の事を指しているのではないでしょうか。

実際、珈琲に限らずですが、近年、あらゆる農作物は経済効率と自由競争の名の下に世界中でどんどん人為的な品種交配が繰り返され、「新品種」が誕生しています。
珈琲はもともと長年の月日を経て自然交配や突然変異などの自然現象で誕生した「新品種」も多いのですが、それらだけでは飽きたらず、さらなる利潤追求の結果、珈琲業界としては数値評価しづらい「味」よりも、毎年沢山の実を付ける生産効率の良い「多産」品種、大規模プランテーション農場で機械で収穫しやすい「低木」品種、シェードツリーの要らない「日向性」品種、病虫害に強い「耐病性」品種などをあれこれ研究・開発し、それらの「新品種」を次々に優先して作付けして来ました。

さらには、味は良いが病虫害に弱い「アラビカ種」に、多産で病虫害に強いもののクセも強い味の「ロブスタ種」を掛け合わせた「ハイブリッド種」もあります。「アラビカ種」と「ロブスタ種」は、本来なら完全な別種であり、自然のままでは受粉(交雑)しない別種なのですが利益のためには何でもするのが現代農業経営者の真骨頂という物なのでしょう。
この「ハイブリッド種」は病虫害にとても強く栽培は楽なものの、「味」は非常に犠牲になっています。

結局のところ、ティピカやブルボンなどの「伝統的在来種」は素晴らしく美味しいのですが、非常に低収量で隔年でしか実がならなかったり、強い直射日光や病虫害にもとても弱く、生産性が上がらないという弱点があり、そのため、利潤競争の結果、これら生産性の低い伝統品種は駆逐され、その栽培面積は激減してしまったのです。

さらに、それら味を犠牲にした新品種やハイブリッド種の増加だけでなく、化学肥料などの多用で各国の珈琲農園の土壌が似通った養分を持つようになり各国の風土の個性が豆の香味に反映されづらくなって来ていることが珈琲の無国籍化や無個性化につながっているとしか思えません。
また、時間と手間のかかるサンドライ(天日乾燥)方式から、機械の温風による短時間強制乾燥方式への移行も、豆の風味を薄れさせてしまい、やはり無個性化につながっているのは間違いないでしょう。

特に、一、二を争う最大生産国であるブラジルやコロンビアで、近年、そのような生産効率重視の珈琲の新品種化、ハイブリッド化、近代農法導入による香味の無個性化、などなどが積極的に推進された影響は非常に大きいでしょう。
その結果、果たして珈琲の「香」と「味」はどうなったのでしょうか?

ティピカ全盛の頃は美味しい珈琲の代表格であったコロンビアなどは、政府推奨のエメラルドマウンテンやカップオブエクセレンス受賞豆なども含め、僕には「珈琲の味がしない」としか思えない豆ばかりで、その凋落振りには目を覆うばかりです。
それでいてコロンビアやブラジルのCOEなどでは、なぜかそんな新品種ばかりが上位に選ばれるのですから…何か戦略的な意図を感じざるを得ません。

繰り返しますが、近年登場した新品種やハイブリッド種は「美味」のための品種改良品ではない点が最も問題です。
それは一本の木から、今までの何倍もの収量が得られるように交配して作出された非常に多産な新品種なのです。
一見、良い事のように誤解する人がいるかも知れませんが、一本の木の中を流れる栄養分の総量は変わらないままに数倍の実(種子)が成るようにしたと言う事は、つまりは香りも味も数倍に薄められた豆が収穫されるという事を意味します。
そうして作られた新品種の珈琲とはどういう味なのか、これ以上はもう多くを語らずとも、すべてご賢察頂けると思います。

ちなみに、日本の果樹園では林檎とか桃などは、花が咲く頃にわざわざ「摘蕾」や「摘果」と言って花のつぼみや幼い実を7~8割も摘み取ってしまいます。つまり一本の樹に成る果実の数を人為的に極端に減らす事で一個ずつの果実に数倍も多くの栄養を集中させ、より甘く、より大きく、より美味しい果実が育つようにしているのです。
こんな事、すべての果樹栽培においては「イロハのイ」であり、必須厳守事項であり、極めて当たり前すぎる「常識中の常識」です。

しかし、その果樹栽培における超常識の、まさに「真逆」を行っているのが、近年の珈琲栽培業界の実態なのです。

どうです?
「どうせ消費者に珈琲の味なんて判りはしない」とか、「広告で美味しいと書けば飲んだ消費者も美味しいと思うもの」とか、「スペシャリティとかCOEとか書けば客は喜んで買って行く」とか、「無知な素人はだまされている事にさえ気付かない」とか…どこからかそういう冷笑が聞こえて来る気がしませんか?

ただし、ブラジルもコロンビアもごく一部では、まだ頑なに伝統的在来品種の純血を守り抜き、伝統的な農法を貫いている生産者や地域もあるのは救いです。

また、スペシャリティやCOEの豆なら、何でも無条件にありがたがって絶賛している人が少なくありませんが、それも甚だ疑問です。
なぜなら、スペシャリティの得点審査では、各農園が選りすぐった最良のコンディションのニュークロップ(新豆)が使われます。そのサンプルで、全体の評価(値段)が決定されてしまうのですから、一番良いコンディションの豆を選び抜いて出すのは当然でしょう。
しかし、もしもサンプルですごく良い味が出ていても、いざ日本へ入荷する本ロットでは、必ずしも同じ味、同じコンディションとは限らないようです。猛烈な暑さの赤道直下を船便でえんえんと輸送され、さらに税関や検査で何ヶ月も足止めされたり、検疫で危険な殺虫薬品で何日もかけて燻蒸されたりすれば、香りや味が劣化しない方がむしろおかしいと思えます。

さらに、珈琲の生豆は見た目がよく似通っていることもあり、食品業界のお家芸とさえ言える「産地の偽装」や「安物すり替え詐欺」などの可能性も払拭できず、実際、サンプル品と本当に同じものなのか、本気で疑いたくなるケースも随分と多くあるようです。
実際、すり替えられていても、豆のDNA検査でもしない限り、小さな一個人店の店主では確認の方法がないでしょう。
ですから高価なスペシャリティ豆を買ったと思って喜んでいても、中身は激安のコマーシャル豆だった・・・しかし店も客も味が全然判らずスペシャリティ珈琲という「ラベル」ですっかり自己満足しているだけだった・・・などという笑えない話も相当数ある気がします。

また、もし万一、幸運にもサンプル品と同等の品質の豆が届いたとしても歓迎できるとは限りません。
なぜなら、スペシャルティ豆は香りに特徴のある珈琲がとても多いのです。それが選考基準のひとつですから当然の結果なのでしょう。
特に果実味や花の香りを売りにしている「変化球」的な珈琲も少なくありませんが、しかし珈琲に花の匂いや柑橘の香り、フルーツの味を強く求める奇特な人など果たしてどれだけいるのでしょうか。
チョコやナッツ、スパイスやハーブならまだしも、オレンジピールやレモン、ジャスミンやハイビスカスの匂いなど珈琲に合う訳がないと思ってしまいます。

珈琲を飲んで「レモンの香りが…」とか「ハイビスカス風味が…」などと得意になって語っている人を見てしまうと、「馬とか鹿のお仲間なのでは?」と思ってしまいます。
そのようなフルーティとかフローラルな味で喜ぶ人は最初からレモンティーやハイビスカスティーを飲んだ方が良いのではと思います。

要は、「頂点に立つような美味しい珈琲こそ珈琲の王道を行く味がするべき」と言うのが僕の持論です。

もちろん嗜好品ですので「新品種豆の味が好きだ」と言う人がいても大いに結構な事です。
しかし、現実には、そんなコロンビアやブラジルでさえも、拡大した新品種やハイブリッド種の栽培を縮小し、伝統的なティピカやブルボンの苗に植え直す「味」優先への回帰現象も一部で始まっているそうです。

個人的には、美味しい珈琲探しの旅は「ティピカに始まり、ティピカに終わる」と確信しています。
珈琲のプロや専門家の評価でもティピカは美味しい珈琲品種の「筆頭」に上げられています。
ですので、もし珈琲マニアを自称していながら、また、ブログ等で珈琲を熱っぽく語っていながら、会話やブログの中でティピカの「テ」の字も出て来ないような人は、珈琲マニアとしての「程度も知れたもの」と思って良いと思います。

と言うより、自称珈琲マニアとしてあれこれ色々な豆を飲んでいても、「ティピカ」と「それ以外」の香味の歴然とした違いに、果たして気付かないものなのでしょうか?
あまりにも厳然として存在する大きな落差に、気付かない事の方が不思議でしかたがありませんが、結局、味など全く判らず、ただただ通販サイトの広告文や店主の営業トークを、そのまま鵜呑みにして妄信している程度の低い人ばかりが多いのでしょう。

また、お店によっては、いまだに「ブラジル」とか「コロンビア」とか「マンデリン」とか「モカ」とか、最低限の簡易な商品表示しかしていないお店があります。
しかし、特に巨大生産国の場合は、一つの国の中でも多くの珈琲の品種が栽培されているため、客としてはこれでは豆の選びようがないと思います。
例えれば「ブラジル」などはブルボン種とカツアイ種では全く味も香りも原価も異なる訳ですし、「コロンビア」ならティピカ種とバリエダ種では全く味も香りも原価も異なります。「マンデリン」も同様ですし、「モカ」なども、最低限、イエメン産とエチオピア産では全く完全に別の珈琲として扱われるべきです。
さらに産地や農園や標高や土壌や精製法でも味が大きく変わりますから、これらの大手生産国については最低限、それらの品種、産地、農園、標高、土壌、精製法等の表示がなければ、味の推測が不可能であり、それでは怖くてとても買えませんし、値段が適正かも一切判りません。

同様に、程度の低い珈琲初心者が、珈琲の感想として「ブラジルらしい味」とか「コロンビアならではの香り」とか「マンデリン特有のコク」とか、味が判った振りして得意になって語る姿を時折見かけたりしますが、これも何とも無知で非常に見苦しい事です。
これらのメジャー生産国は、同じ国の珈琲であっても品種や産地や農園や精製法によって香味は極めて大きく異なり、さらに焙煎機の形式やロースト度によっても香味は全くの別物になるのですから、「~らしい」とか「~ならでは」とか「~特有の」と言う表現は、絶対に「不可能」なのです。
それを臆面もなく口に出すと言う事は、自身が「珈琲の事を何も知らない」かつ「味が一切判らない」事の恥ずべき露呈以外の何物でもありません。

ギリシャの高名な哲学者であるソクラテスも「無知の知」という言葉によって、「真の知への探求は、まず自分が無知である事をよく知る事から始まる。」と説き、無知である人物よりも、その無知である事を認識しようとしない人物のことを強く戒めています。
見苦しい似非珈琲マニアとして出鱈目話を吹聴し、「知らないのに知っているふりをし、判ってもいないのに判っているふりをする」、そんな正視に堪えない醜態を晒すのはもういい加減にやめて欲しいものです。

ただし、血統の良い美味しいティピカ種の珈琲豆は、例外なく「かなり高価」です。
そのため、高価格に起因するいくつかの弱点が潜んでいます。

まず、「高価なために買う人が少なく、さほど量が売れない」と言う弱点があります。
つまり、焙煎機は一回の適正焙煎量がほぼ決まっていますので、たとえば一回あたり同じ5kgを焙煎したとしても、他の安い豆は4~5日ですぐに売り切れるところが、高価なティピカは少しづつしか売れず、どうしても長期間の在庫になりやすいと言う事です。
特に昨今のようなデフレ不況の中では高い豆は敬遠され、売れ行きは落ちているようです。
そのため、お店から買った時点で既に香味のピークを大幅に過ぎている古い豆に当たってしまい、多くの客がそう言う豆を飲んで、「この銘柄豆はやたらと高かったのに全然駄目だ」と誤解してしまう不幸なケースがかなりあると思います。

では、自分で焙煎する自宅焙煎なら、間違いなく新鮮な高級ティピカを「本来の姿」で飲めるかと言うと、これまたそんなに簡単ではありません。
高価なティピカは、そもそも輸入商社や生豆屋さんの倉庫にある「生豆」自体からして、同じくあまり量が出ず、長期在庫になり易いようなのです。

実際、僕の経験からも高級ティピカの生豆を通販で買った場合、どう見ても収穫から3~4年は経っている「白っぽく枯れた豆」が送られて来る事が少なくありません。多少、生豆を見慣れている人なら、一目で長期在庫品を送って来た事がすぐに判るほどです。
そういう豆は焙煎しても、収穫し立ての緑色の濃いニュークロップと比較すれば、香りは明らかに衰え、味もすっかり弱った珈琲になり、本当の実力の3割も出せなくなっている事が多いです。

産地や銘柄によっては、むしろ熟成させて「オールド」に出来るティピカもありますが、繊細な香味のカリブ海系のティピカなどは、総じてニュークロップの方が明らかに美味しく、熟成には全く向かない気がします。
ですので、せっかくの高級ティピカの生豆を買う場合は、相場より少し位高くてもニュークロップである事が確認できる店舗から購入する事を強くお薦めします。

また、高級ティピカは、その高価さゆえ「偽物」もかなり出回っています。この点も要注意です。
特に高価格のブルーマウンテンなどは年間の収穫量よりも年間の販売量の方がずっと多くなるそうです。つまり偽物が売られていると言う事です。

すべて偽物だとさすがにバレる可能性がありますので、偽物を半分くらい混ぜて100%ブルマンとして売ったりしている例が多いようです。偽物はブルマンと香味が似ているカリブ系の安豆が使われたりしているようです。
同じく高級豆のハワイ・コナも、長年にわたり大規模に南米産の安豆を混ぜて増量していた事を告発する偽装暴露事件が以前にありました。

僕も実際に、最高規格のブルーマウンテンNo.1などは豆のスクリーンサイズ(大きさ)が17~18が最低96%以上と厳格に定められているにも関わらず、15とか16の小さな安豆がどう見ても3割以上も入っていた事や、キューバの最高級豆であるクリスタルマウンテンを注文したら、その二段階も下の安いグレードである小さなサイズのTLが届いたり、店で高価なイエメンモカの表示を見て買ったのに家で袋を開けてみたら中身はエチオピアの安物モカだった事などなど、詐欺そのものの酷い経験を何度もさせられています。

今までで一番酷かった僕の「偽物被害体験」は、研究熱心なこだわりの自家焙煎を謳う某・自家焙煎店の「通販」で、やはりイエメンモカを購入したケースなのですが、郵送で届いた珈琲の袋を開けてみたところ何と恐ろしい事に、一般市場に流通している珈琲の中では最もありふれた最低価格帯の超廉価豆である「ブラジル・サントス」(豆面と香りと味で判ります)が入れられて来た時です。
いやはや、まさに「ここまでやるか?」の世界です。
イエメンモカとサントスでは市場価格に数倍の大差があるだけでなく、いくら何でも豆面やサイズ、味や香りを始め、豆としての格やレア度に極度に大きな違いがあり過ぎます。
これではまるで通販で高価な「鰻」を買ったら、小さな「ドジョウ」が届いたようなものです。
客を完全に舐め切り、徹底して馬鹿にし、こんなバレバレの悪業を臆面もなく平然と実行して全国の客からお金を巻き上げ続けているのですから、これではもう「偽装」や「詐称」の範囲を完全に逸脱した、事実上の悪質な「送り付け詐欺」です。

その時は、あまりにも極低レベルなクズ珈琲屋と関わってしまった自分が情けなくて文句さえ言う気力も起きず、また、もし言ったところでこのような人非人の故意犯であれば「たまたま送る品を間違えただけ」と頑としてとぼけ通すマニュアル対応が返って来るのは明白です。
サイト上では散々自店の珈琲焙煎に対する熱心な研究、高品質や美味を語っていながら、現実にやっている事は珈琲焙煎の研究ではなく、日夜、「客を如何に上手く騙すかの手口」だけを長年に亘って熱心に研究し続けているのでしょう。

また、ティピカとして流通している豆の中には、単に生産者が「ティピカ」と主張しているだけで、公正な検査機関や第三者機関による証明がない場合も少なくないようです。
ある程度であれば、豆の形やサイズから「ティピカか否か」を判断する事もできますが、結局、最後に信用できるのはティピカとそれ以外の味を明確に峻別できる自分の味覚だけと言う事になります。

また、偽装とは違いますが、病虫害に強く多産で生産効率が高いのに味がイマイチである「新品種」や「ハイブリッド種」は、当然にかなり安く流通されていますので、これを激安で仕入れ、何とかあの手この手で無知な客に思いっきり高く売り付けようとする悪どい珈琲店も後を絶ちません。

今や希少価値のある上質なティピカは非常に美味しいけれど仕入れ値が高価です。
お店としては、どれだけ美味しくても、高く仕入れた物を高く売ったのでは大した儲けにはなりません。
「安く仕入れた物を口先三寸で無知な相手に高く売り付ける事」こそが悪どい商売人達の王道の常套手段であり、古来より「商いの最強奥義」として代々受け継がれてきた伝統技法なのです。
それには超多産・低コスト生産ゆえに超安値で仕入れられる「新品種」や「ハイブリッド種」などの新品種豆が素材としてまさにぴったりなのです。

実際、自家焙煎珈琲店の一番の売れ筋価格帯は100gあたり500円前後の豆でしょう。
買う客の95%は珈琲の知識も全くなく味も一切判らない人達ですから、本来なら一番大切な「豆の品種」には一切関心を示さず、単に500円前後の「お手頃の価格」の豆、かつ、ブラジルやコロンビアなど「名前を聞いた事のある国」の豆を選んで買います。
当然、そんなレベルの客ばかり相手にしていれば、店としては同じ100gあたり500円の売値であれば仕入れ値が安い「新品種」や「ハイブリッド種」ほど「利幅」が非常に大きく載せられますので、それらを美辞麗句の虚飾の解説文で煽り、店主の「イチオシお薦め名柄」として商品棚の最前列に置く訳です。
何のことはない、お店の「イチオシお薦め名柄」の真の意味は、お店にとって「一番儲かるオイシイ銘柄」という意味に他ならないのです。

それら「超多産・低コストの新品種」の生豆の仕入れ値は、もちろん銘柄で変わりますが、平均すれば100gあたり大体60~80円前後でしょう。
自家焙煎店はそれを焙煎して100gあたり400~600円前後で売っている訳です。
熱風焙煎の店なら、わずか10分ほどですぐに焙煎完了、焙煎後は豆の水分が減って20%ほど目減りしますが、100gあたり400~600円前後で売れば簡単に5~7倍の売値に化けるのです。おそらく原価率の低さでは飲食業界随一でしょう。
さらに、その豆を10g程使って店内で飲ませれば一杯400~600円前後の珈琲になるのです。なんと生豆代のほぼ50~100倍の売値!驚異の原価率1~2%!
これでは笑いが止まりません。

上で書いたとおり無理やり超多産化された新品種の珈琲豆は、当然に珈琲感が異常に薄く、香りは無いに等しく、味もスカスカと、まさしく散々ですが、何しろ一般大衆にとってみればそれらの珈琲感の貧弱さこそが、むしろ(味がしないので)「飲みやすい」「スーッと飲める」「胃にやさしい感じ」だなどと、驚くことに正誤転倒のあらぬ高評価や信じがたい善意解釈に化けかねないのです。
いやはや本当に心の底から悲しいことですが、何とも苦渋に満ちた難儀な嫌な時代になったものです。

もちろん珈琲は「嗜好品」ですから、そういう「極薄の無味無臭的な珈琲の味が好きだ」という人が居たとしても仕方のない事です。
しかし、それならそれで、同じく激安の「新品種」や「ハイブリッド種」をブレンドして製品化している「大手珈琲企業」や「中堅珈琲メーカー」の珈琲であれば、「全く同じ味の珈琲が1/5~1/2の超格安良心価格」で買えてしまう訳です。

スーパーマーケットの棚に並んでいる大手メーカーの珈琲豆の99%は、激安の「新品種」や「ハイブリッド種」や「ロブスタ豆」を使った普及商品です。美味や趣味性よりも買いやすさとコストの安上りさを最優先しているのです。
ところが、そんなスーパーマーケットの普及品とは違う美味しい絶品珈琲豆を求めてわざわざ個人の自家焙煎珈琲店へ行ったはずなのに、その個人の自家焙煎珈琲店でも知らないうちにまた「新品種」や「ハイブリッド種」や「ロブスタ豆」を使った普及商品の豆を「5倍~2倍もの超ボッタクリ価格」で買わされたのでは、これでは「ただの馬鹿」です。

自称・珈琲マニアは、珈琲の味ではなく、ただただカッコを付けるためだけの自身のファッションや自己満足ライフスタイルの一部として「珈琲趣味」を語りたがる面があります。
もともとそんな目的の人々ですから他者に自慢できそうな「高価格の豆」や「高人気の店」などの珈琲に率先して群がり、盲目的に信奉し、皆、自分がその珈琲の真価を完璧に理解している「振り」をしたがります。
逆に、当然ですが、「スーパーの普及品の珈琲を愛飲しています」とか「量販店の激安珈琲が美味しいと思います」などとは口が裂けても決して言わないわけです。
むしろ、当然ながらスーパーの普及品や業販店の激安品の珈琲は「徹底的にけなし」「過激にこき下ろす」事で、自分の「自称珈琲マニアとしてのランク」や「自己満足ライフスタイルの見かけのクオリティ」を必死に上げたい訳です。

しかし、僕に言わせれば、世の95%の自家焙煎珈琲店と業販店の激安珈琲とは「実は全く同じレベルの味」がします。
なぜなら、「同じ新品種・ハイブリッド種」を、「同じくハンドピックを一切せず」に、「同じく熱風焙煎で仕上げる」のですから、生み出される結果としての味も極めて当然に「同じ味」になる訳です。
少し考えてみれば当然の結果だと誰にでも判ることです。仕入れや製造過程に「奇跡が起きる要素」など、どこにも一切存在しないのですから、同じ味にならない訳がありません。

本来であれば、自称珈琲マニアが鼻高々で買ってご満悦の「自家焙煎珈琲」と、常に見下し馬鹿にしたがる「量産珈琲」とは、一口飲めば味わいに「雲泥の激差」「天地の大差」が存在しなくてはならないはずです。
ですが、試しに自家焙煎店9軒の「100gで500円」の珈琲と量販店の「100gで100円」の珈琲1品をブラインドテスト形式で自称珈琲マニアに飲み比べさせた場合、果たしてどれが量販店の「100gで100円」の珈琲か正確に峻別できる人が一体何人いるのでしょうか。
もしも、本当に両者の味に「雲泥の激差」「天地の大差」があるのであれば、全員が100%即座に正解できるはずです。
しかし、現実にはほとんどの自称珈琲マニアは揃って口をつぐんでしまう事でしょう。
もし外れたら罰金1000万円という条件を付けた場合、答えられる人など間違いなく「絶無」だと思います。
つまり、自称珈琲マニア達は、実際の味ではなく、単に「自家焙煎」とか「珈琲専門店」という語感イメージにより捏造された妄想の脳内イメージだけで珈琲を区分けしている人々であるという何よりの証明でしょう。

実際に、大手メーカーとほとんどの個人焙煎店の珈琲の味に、もともと大差など一切ありません。現実はまさにドングリの背比べであり、個人焙煎店の「100gで500円」の珈琲が、ただ単に馬鹿らしく「割高」に売られているだけなのです。
当然に同じレベルの味なら少しでも安いところで買うべきです。

結局、コストパフォーマンスを考えれば、業務系スーパーや量販店の量産珈琲を買う事が、珈琲好きとして「一番賢明な選択」「最も賢者である証明」そのものと言うことになります。
実際に、業務系スーパーや量販店などで売られている珈琲の多くは100gあたり100円~150円と超激安ですが、大規模仕入れ・大規模生産のメリットを最大限に活かした有能経営ゆえの「絶品のコストパフォーマンス」を持つ非常に良心的な「ノンブランド」珈琲が決して少なくありません。

繰り返しになりますが、無料のブログや無料のクチコミサイト、無料の掲示板などで日々せっせと無益なカキコミをしている人々のほとんどは、珈琲の味ではなく、ただカッコ付けたいためだけの自身のファッションや、自己満足ライフスタイルの一部として「自家焙煎珈琲店」を信仰し、馬鹿らしい割高珈琲をせっせと購入し、その結果得られる「ご利益」として高額な珈琲や人気珈琲店の訪問レビューなどをネット上で自慢して悦に入っているだけの人達です。
そんな極低レベルな「レビュー自慢合戦」や「経験値PR合戦」など、全く無益で無意味な「不毛の消耗行為」である事は言うまでもありません。

ですので、もしも貴方が、日常用としてコスパに優れたそれなりに美味しい珈琲を賢く探したいのであれば、むしろネット情報は、金輪際、一切読まず、ただただ町中のスーパーや業販店を巡り、「100gで100~150円前後」の珈琲を複数種類購入して、味比べをする事が最も賢い方法であると間違いなく確信します。

その際、激安にもかかわらず優良な味の量産珈琲の見付け方として、僕が実践している「裏技三種」をここでご参考までに披露したいと思います。

(1)まずは「アラビカ種」だけで味をまとめた珈琲を選びましょう。
御存知の通り珈琲には「アラビカ種」と「ロブスター種」がある訳ですが、激安のロブスター種は独特の癖があり、味がドンヨリと鈍く重くなるため、あまりお薦めできません。
香味の優れたアラビカ種の豆だけで製造された商品を選ぶためには、包装袋の裏面の原材料欄をよくチェックして、ロブスター豆の主な生産国である「ベトナム」や「インドネシア」などの産地名が書かれていない商品を選ぶと良いのです。
ただし、エスプレッソ用やアイスコーヒー用など「深く濃く淹れるタイプ」の豆の場合、「味の重い」ロブスターを適量ブレンドする事でむしろ良い役割を演じる場合もあります。

(2)鉄則としてサラサラの「粉」に挽かれた品は既に流通過程で大部分の風味が揮発していますのでダメです。ぜひ、「豆」のままの品を選び自宅で淹れる直前にミルで挽いて下さい。
そして、その「豆のまま」売られている商品の選び方ですが、売り場で袋を軽く振って「ゴゾゴソ」と重い音だけがする品が良品です。
逆に「ガササッササッ」と軽い粉の音が混じった珈琲はダメです。なぜならその軽い粉の音がする珈琲は割れ豆の小破片が混じった商品なのです。
大手工場で大量生産される珈琲は製造ラインのパイプの中を豆が高速で移動する際などに曲がり角などにぶつかり頻繁に「豆が割れる」現象が発生します。
それをそのまま焙煎すると割れた少破片は丸豆と比べて体積が極端に小さいため「真っ黒に焦げてしまう」のです。当然にその珈琲はその少破片が出す「焦げ臭さ」が充満した酷い味になります。
また、そのような美味の大きな障害になる焦げた小破片を取り除かずにそのまま含めて商品化してしまうそのメーカーの姿勢も大問題です。「一事が万事」なのですからそのメーカーは珈琲作りの他の要素も全てダメだと思います。
ですので豆のままで珈琲を買ったら、開封して袋の底を確認して下さい。割れ豆の小破片が少ない品ほど「まともな味作り」がなされた確実な優良珈琲です。

(3)商品の名前に著名な「観光都市名」や有名な「政令都市名」が冠された商品はほとんどダメです。
また、やたらとカッコ付けた商品名であったり、自社の誕生ストーリーや味作りを美辞麗句や大言壮語で煽る解説が長々と袋に書かれた商品も同じくダメです。
それらはイメージで客を取り込む気が満々の「ダマシ」商品の典型的な特徴であり、徹底回避すべき「ハッタリ」商品の顕著な事例そのものです。
中身はただのつまらない普及品やしがない廉価品なのに、あれこれ演出して高級品や伝統品を装うことで、思いっきり「過当な利幅」が載せられた本当に馬鹿らしい商品がほとんどです。当然、コストパフォーマンスは最悪です。
逆に言えば、そういう買い手の心理に巧みに取り入ろうとする誇大広告商法に一切頼らない、「簡易な包装や質素なデザインのノンブランド珈琲」にこそまじめに味だけで真摯に勝負している「当たり」の商品が多いです。

優良な味の量産珈琲の見付け方として、僕がお薦めする「裏技三種」は以上ですが、僕の経験からは街中のデパートやスーパーマーケットよりも、郊外のホームセンター、業務系スーパー、ディスカウント量販店などの方が、より多くの優良な味の「ノンブランド量産珈琲」が置かれていました。
ぜひ、長きにわたってコスパ良く愛飲できるお気に入りの優良銘柄を見つけてみて下さい。

さて、豆の品種の話に戻りますが、豆の品種表示がない「ブレンド」は自家焙煎店にとって実は最大の稼ぎ頭です。
なぜなら豆の表示義務がないので激安の「新品種」や「ハイブリッド種」や「ロブスタ豆」が使用されている事実を完全に隠して売る事ができるからです。特にくれぐれも要注意です。

実際、ブレンド名だけかっこ良くても、いったいどのレベルの豆が入っているのか判った物ではありません。お店によっては、不人気で激安の「ハイブリッド種の寄せ集め」や「新品種のごちゃ混ぜ」を美辞麗句で飾り立てているだけと言う可能性も大です。
同様に、豆の味や銘柄が判らなくなるまで真っ黒に超深く焙煎された「エスプレッソ用」や「アイスコーヒー用」などの豆も要注意です。
くれぐれも「ゴミ豆の墓場」のような商品を、誇大広告に騙され、高額で売り付けられないように注意しましょう。

これほど巨額に儲かる「ハイブリッド種や新品種豆の販売」、そうなると実店舗での売上だけでは飽き足らず、インターネット上のあちこちに派手な広告を出したり、大手ショッピングサイトへ出店したりするショップも激増中です。
実際、そういう「商魂丸出し」の自家焙煎店の多くは「今月のイチオシ美味銘柄」とか「店主の厳選セレクション」とか「当店自信の限定品」とかの大げさなタイトルと、珈琲マニアが泣いて喜びそうな過剰な美辞麗句で飾り立てて、とにかくやたらと目立つ位置に「新品種」や「ハイブリッド種」の商品を掲載しています。

その様子は冷静な第三者から見ると、まさに偽物のイミテーションの毛鉤(けばり)を使った「魚釣り」そのものです。
実際、頭の良い魚は不自然に派手な装飾が施された毛鉤が明らかにイミテーションである事を見破り決して近づきませんが、馬鹿で無思慮な魚は派手な装飾(広告)にコロリと騙されて「偽物の餌」に喰付き、易々と釣り上げられてしまう訳です。

そういう店主に限って焙煎の研究はした事がなくても、ネットでの広告コピーやWEB販促ノウハウだけは、まさに「釣りキチ」の如く非常に熱心に研究します。
大衆魚(自称珈琲マニア)の習性を調査研究し、大衆魚が喜びそうな派手で目立つ毛鉤デザイン(広告文)を巧みに編み出す訳です。
実際、激安の「新品種」や不人気の「ハイブリッド種」を言葉巧みに高品質で美味しい人気豆と錯覚させ、客を「おいしそう」「お得そう」「買わなきゃ損」という心理に巧みに追い込んで行き、過当な価格で売りつけ「ベラボウな利幅」を確保するその演出ノウハウや話法テクニックは実に大したものです。

取り扱っている豆も、単に総輸入元の商社から卸売りしてもらっただけの豆なのに、まるで自店が生産地まで出かけてさんざん苦労をしてその絶品豆を発見し、あらゆる万難を排除して生産者と交渉の末、やっとの思いで買い付け、独占して限定輸入したかのような事が書いてあったりします。
ですが、農作物の輸入は検疫や税関の手間、そして残留農薬や海難事故のリスクを考えたら、一個人店がおいそれと手が出せる訳がありません。

珈琲豆輸入元の商社は国内に数えるほどしかありませんので、国内のどの珈琲店も「同じルートで入った同じ豆」を使っているのが普通です。貼られている現地農園や生産者の写真も、ほとんどすべて商社のHPからの転用です。
日本中の珈琲店のどの店にもある凡庸でありふれた豆なのに、まるで自店でしか買えない「激レア豆」のように錯覚させる書き方には、そこまでして騙したいのかと、思わず失笑してしまいます。
くれぐれも買う前に他店もよく比較してみる事です。全く同じ豆がはるかに安く売っている例はよくある事です。

実際の話ですが、僕が市場流通品の中で最も低価格の一つと思っている南米産の「某・新品種豆」がネット通販でいくら位で売られているのか、ネットで少し調べてみた時の話をしたいと思います。
その豆は生産量・輸入量ともに多く、低価格帯珈琲の定番商品でしたので、日本中の多くの珈琲店で売られています。そのため「売値比較」にはまさに持って来いの豆でした。
その結果ですが、30軒位の自家焙煎店のウェブサイトをチェックしたところ、ほんどの自家焙煎店では100gあたり300円前後の価格設定でした。中には200円程で売っている質実で良心的なお店もありました。
しかし、逆にその一方で、大言壮語と美辞麗句で捲くし立てて、驚くことに同じ豆を何と「800円」もの超絶暴利で売っている悪徳店も「実在」していました。

その800円もの超絶暴利店の変に凝った胡散臭いデザインのサイトを見て「いかにも怪しい」と直感したのですが、売られている商品のラインナップを見ると、他店では100g当たり300円程度で売られている南米等のつまらない「新品種豆」やしがない「ハイブリッド種豆」が、大言壮語と美辞麗句でまくし立てられ、何と軒並み100g当たり800円以上の超絶暴利プライスで売られていたのです。
いやはや、少しでも珈琲に詳しい人が見れば、呆れて開いた口が全く塞がらないところです。
僕は「こんな暴利の価格設定で果たして買う客がいるものなのか?」と驚きましたが、しかし、その店は既にそこそこの年数を営業している店であり、それは「買う客が実在する」事を意味します。
僕は呆れると同時に、不思議でなりませんでしたが、世の多くの一般客や自称珈琲マニアなどの「豆の品種」や「仕入れの原価」が一切判らない客にとってみれば、「この珈琲は800円もするのだから凄く美味しい(はず)」と思い込んで買ってしまうのかも知れません。
しかし、その行動心理こそが、客の「良い珈琲は値段も高いはず」という心理を見事に逆手に取った悪徳珈琲店お得意の「蜘蛛の巣型商法」の典型なのです。

念のため申し上げますが、自家焙煎珈琲店のウェブサイトを開いて、もしやたらと真っ白な空間や漆黒の塗りつぶしページを多用したアーティスト気取りのサイトやクリエイター風のデザインであったり、無垢な夢見る「ポエム」やお子様向け「絵本」等のタイトル風のロマンを騙る店名であったり、動物や鳥や大自然などを愛するナチュラリストを装うようなサイトで、品種不明の珈琲が妙に高値プライスで並び、かつ、実店舗の写真も載せず、焙煎機の型式も明かしていないサイトであったなら、僕ならその店の珈琲は「絶対に買いません」。「一切絶対に!」です。
なぜなら、もし買えば、もう「完璧に騙される」のが丸見えだからです。

ろくな修行経験もなく、実力もなく、珈琲が全く大したことがない味の店は、もったいぶってわざと手札を明かさず、なんだか気になる秘密のベールに包まれたような印象や、何かやりそうなアーティスト風のイメージ戦略などの虚像で客を集め、心象や話術で取り込む方向へ走るのです。
わざと露出や情報を少なくして、秘密めいた、謎めいた店を気取っているのです。
もしくは、いかにも客の共感を呼びそうな子供の頃の夢や人生のロマンを連想させる店名や、生命や動物や自然をこよなく愛する優しいロハス店主や善意のエコロジストのお店を装うことで、客に共感や安心感、親近感などを植え付け、相手の財布の紐を緩めさせようとしているのです。

そして、それらの悪徳珈琲店は、そういう秘密めいた虚像アーティストやロマンチックな店名や地球に優しいロハスなお店に引き寄せられて来るタイプの客は、「味が一切判らない」「珈琲の事を全く何も知らない」種類の客である事も非常に良く熟知しています。
当然、他店では300円で売られている珈琲がその店では一律「800円以上」に化けるのでしょう。
僕達としては、それら「胡散臭いサイトの作り」や「偽善的で凝った店名」を見た段階で、その店が既に珈琲の味を売る店ではなく、「夢を売る」「嘘を売る」タイプの店なのだと察知し、くれぐれも賢明なる回避をしなくてはなりません。

わずか300円の珈琲がいきなり2.7倍もの800円の暴利プライスで売られるという事は、まるで150万円の軽自動車が400万円もの暴利プライスで売られているのと同じことです。
しかし自動車であれば、例えどんな一般人でも「見た目」という視覚情報から、「こんな小さな車が本当に400万円もするのか?」とか、「馬力もないし内装もチャチだ、いくら何でも高すぎでは?」などの疑念が湧き、誰も買わないはずです。
しかし、珈琲の外見は「ただ茶色いだけの小さな豆粒」ですので、視覚情報が極端に少なく一般客には「高級品も激安品も全て同じに見える」という何とも「非常に客を騙しやすい」恐ろしい特徴があります。
ましてや「粉」に挽かれて売られてしまえば、高額豆も激安豆も見た目では一切見分けが付かなくなります。
そして、悪徳珈琲店は珈琲の「まさにその特徴」にこそ目を付け、多くの業種や商品の中からわざわざ珈琲を悪徳商売の道具に選んでいるのです。

実際、珈琲の生豆で見た場合、最安値価格帯の豆はわずか1kg500円程ですが、最高価格帯の豆は1kg5000円以上します。オークションロットなどですと1kg8000円以上という豆もあります。
つまり、珈琲とは安い豆と高い豆の差が10倍~16倍以上もある商品であるにも関わらず、何と見た目では一般客にはその区別が全く付かない商品なのです。
そして、一般人や自称珈琲マニアは「飲んでも味が判らない」ため、「価格と味の大幅な落差」に起因する売った後のクレームの心配もありません。
かように、「珈琲」とは、悪徳珈琲店にとってその恐るべし「辣腕」を思う存分に振るえる全ての舞台装置が揃っている稀有なる商品であることをよく肝に命じておいて下さい。

前回も申し上げましたが、そういう悪徳珈琲店にとっては、「中途半端な珈琲の知識と興味のある人間」(=自称珈琲マニア)が「一番美味しい太った鴨」であり、最も狙われやすい「最高の御馳走」「彼らのメインディッシュ」なのです。
なぜなら一般客はどれだけ煽ったところで珈琲に使う金額など高が知れていますが、「自称珈琲マニア」は、「この珈琲を飲まずしてCOEは語れないでしょう」とか、「珈琲通の皆様が特に好んで購入している銘柄です」とか、「特別ロットが限定で入荷しましたぜひ違いが判る貴方様へ」などなど、ちょっと煽ったり自尊心をくすぐったりしてあげれば、一般人から見れば到底信じられないような金額を一切迷わず喜々として即座に珈琲に使ってくれるからです。

別の言い方をすれば、悪徳珈琲店は、珈琲に関して全く無知ではあるけれど美味しい珈琲が飲みたい(美味しい珈琲を飲んでネット上で思いっ切り自慢して羨望の眼差しで見られたい)と言う自称珈琲マニア達の「夢」や「願望」を片っ端から喰い物にする「獏」(ばく:人の夢を喰って生きる醜い想像上の生き物)なのです。
自ら進んで危険な「獏」に近づき「貴方の大切な夢」を無残に喰い荒らされないよう、くれぐれも「要注意の上にも要注意」です。

一般客にとって唯一の防御策としては、購入時には必ず、絶対に、イの一番に、念入りに「豆の品種」をくれぐれも良く確認することです。
もし商品に豆の「品種」(商品や生産国や農園の名前ではなく、豆のDNAによる品種の事です)が明記されていなかったら、必ず、絶対に、イの一番に、念入りに店主さんへ確認しましょう。通販の場合は同じくメールで必ず確認して下さい。必ずです。
というより、そもそも珈琲豆の購入にあたって「豆の品種を一切確認せずに買う」という行為自体が、僕にとってはあまりにも信じられない愚行にしか思えないのですが。
もしも貴方が珈琲初心者で、まだ「品種」の事は良く判らないというのであれば、店主さんへ単に「この豆はティピカですか?」の一言を尋ねるだけで良いです(ブラジルの場合は「ブルボンですか?」と尋ねて下さい)。
その一言で、全てが白日の下へ晒され、全てが「クリア」になります。

実際、「自称珈琲マニア」は、つくづく騙されやすいと言いますか、あまりにも馬鹿にされていると言いますか、裏では業者に爆笑されているのさえ判らず、せっせと騙されてボッタクリ価格で只のつまらない新品種豆を購入し、必死になって何とか良い箇所を見つけ、それをブログや口コミサイトへ投稿して悦に入っているのですから、いやはや何とも難儀なことです。

中には、大して珍しくもないちょっとしたマイナー豆を、何だかんだと捏造した誕生ストーリーと大言壮語のふれ込みを付けて、まるで「珈琲業界を揺るがす世界一のレア豆」の如き豆に錯覚させ、生豆の原価の20~30倍もの信じられない法外な高価格で販売している所もあったりします。
しかし、世の中には、そんな「あり得るはずのない高価格商法」に易々とひっかかってしまう人が、本当に実在するのですから、いやはや何とも恐ろしい事です。
もし真に珈琲に詳しい人であれば「明らかにおかしい」と判るはずなのですが…。

当然、虚飾や先入観を排して冷静に飲めば、お味の方は良心的なお店で100gあたり600円前後で売られているよく仕上がった豆と大差などありません。ある訳がありません。
それでも、本人は騙されている自覚さえないまま、高価格豆を飲んだ事を誰かに自慢したくて仕方がなく、こともあろうかブログや口コミサイトなどに大得意になって書き込みしたりしているのですから本当に始末に負えません。
まさしく「コーヒー通」ならぬ「コーヒー痛」の方々です。

これでは真面目に正直な商売をして「薄利」で頑張ってくれている良心的な自家焙煎店が、あまりにも不憫で可哀想です。

以前、とある「カリスマ・セールスマン」が残したこんな逸話があります。
その人は、自分にコンビニで売っている100円の和菓子とちょっと豪華な箱を渡してくれれば、その和菓子をその豪華な箱に入れて「1万円」で売って来る自信がある、と常に周囲に豪語していたそうです。
それだけ自分の巧みな話術に絶対の自信があり、かつ、営業トーク次第で100倍の値段でも買う「カモ」が世の中には実際に多い事を経験して出た言葉なのでしょう。

恐ろしい事に、そのカリスマセールスマンの優秀なお弟子さん達が、今の「珈琲業界」にも多数潜伏しているような気がしてならないのは、僕の考えすぎでしょうか。

まあ、高価格ボッタクリ商法の元祖であり本家本元でもある「最強ダマシの王者=ワイン」と「自称ワインマニアの超鴨ネギぶり」に比べれば、それでも珈琲はまだ多少はマシな業界かとは思いますが。

また、そもそも珈琲豆を海外から輸入して来る輸入商社自体に「問題あり」と思う事もあります。
輸入商社は自分が現地で買い付けて来た珈琲を国内の自家焙煎店へ卸し売りする訳ですが、すでに「問題」はその段階から始まっている事も少なくないのです。

輸入商社が自社の扱う豆を紹介するコメントを見ますと、読めば思わず購入したくなる超絶の煽りコメントがずらりと並んでいたりします。
自家焙煎店の中には、輸入商社のそんな「超絶煽りコメント」をすべて鵜呑みにして、言われるがままに劣悪豆を買っている程度の低いお店も少なくないのでしょう。

まずは自家焙煎店のWEBページを見てみて下さい、もし商社の豆紹介の文章をそのままコピーして使っているようなら、自分で良い豆を選ぶ味覚や能力がない店である可能性が極めて大きいです。
そうして騙されて劣悪豆を大量に購入してしまった自家焙煎店は、まさに「ババ抜き」ゲームの如く、今度は消費者に対して「ババ」を高く売り付ける側に回る訳です。

僕もいろいろな生豆を購入して自宅で焙煎しますが、中にはどんなに工夫して焙煎しても全く美味しくない「三流豆」や、背筋が凍る毒カビ(アフラトキシン、オクラトキシン)の生えた豆が平然と混じった「恐怖豆」に出くわす事があります。
ところが、輸入商社のサイトでそれらの豆の紹介文を読むと、最高レベルの豆として推奨する紹介文や絶賛するカッピングコメントが臆面もなく並んでいたりするのですから、心の底から呆れ果ててしまいます。

ですので、真に「珈琲の王道を行く美味しさ」を持つ豆と出会いたいならば、過剰な広告宣伝やふざけた説明文には一切目もくれず、店主の巧みな営業話術にも一切耳を貸さず、ティピカに強い実績を持つ実力のある良心的で清潔な自家焙煎店で、くれぐれも一切迷わず、純度の高い「100%ティピカ種」の豆を選び購入することです。
そして「真のティピカ」を正確に峻別できる鼻と舌を持つ事です。

それが日本一美味しい珈琲を見つけるための「第二歩目」になります。




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